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山本七平の日本を見る目・思考は不滅です。
われわれはいとも簡単に「民主主義」と「全体主義」、「民主制」と「独裁制」といった分類をするが、それには何か根拠があるのか、またそういう分類は成り立つのか。
なぜ「天皇機関説問題」を取りあげるのか。この問題は、単なる言論弾圧事件とはいえない。その背後にあったものは何か。これは、第二次大戦直後の「民主化」時代と一脈通ずるものがある。歴史に終着駅はない。
日本では総政治化と非政治化が13~15年周期で繰り返されてきた。たとえば、日本人は、明治維新で前の歴史を消し、戦後に戦前の歴史教科書を抹殺してしまった。13~15年周期で変革の動きが起きてもなぜ頓挫してしまうのか。
日本には「個」の組織化である「民主主義」の基礎であるべき組織(システム)という概念がない。組織は常に目的をもつ。一方家族は自らの崩壊を防ぐことが第一の目的である。組織的家族集団の日本は社会変革にどう対処していけばいいのか。
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